▽西側諸国はタリバンが女性の権利を含む基本的人権を保障しない限り、正当な政府と認めることはなく、支援再開も見込めないとしている。
ノルウェー難民評議会(NRC)は19日、アフガニスタンへの支援差し止めが同国の女性支援の足かせになっていると警告した。
NRCのエゲランド(Jan Egeland)事務局長は声明で、「アフガンのNGOなどへの資金援助が減少していることで、女性と女児がその矢面に立たされている」と述べた。
それによると、NRCは22年に77万2484人のアフガニ人を支援したが、23年には49万1435人まで減少。24年は21万6501人となった。その半数が女性である。
エゲラント氏はタリバン暫定政権の女性差別を批判したうえで、「国際社会による支援削減の影響を最も強く受けているのは女性と女児である」と強調した。
21年8月のタリバンによる政権奪取後、多くの国が援助を停止した。
タリバンへの制裁、米国などで保有する数十億ドルの資産凍結、銀行送金の停止、国際機関へのアクセス遮断などにより、アフガンは過去最悪の経済危機に直面している。
国連などは国際社会に対し、苦境にあるアフガンへの支援を継続するよう求めている。
NRCのような団体は食料支援、予防接種、教育や医療プログラムなどを通じて、公共サービスを維持する手助けをしてきた。
しかし、タリバンは昨年9月、女性のための医療訓練や講座を中止した。アフガンの女性は女性医師や特別な免許を持つ医療専門家によってのみ治療を受けることができる。
西側諸国はタリバンが女性の権利を含む基本的人権を保障しない限り、正当な政府と認めることはなく、支援再開も見込めないとしている。