▽メキシコ政府は現在、国内で保護した移民を様々な場所に分散させ、同時に一カ所に集まる人数を制限している。
メキシコの治安当局が18日、北部チワワ州の移民野営地を摘発し、大勢を拘束した。
AP通信によると、治安部隊は18日未明に野営地を取り囲んだという。
摘発に抗議する複数の移民が毛布やマットレスに火をつけて抵抗。子供連れの家族など、少なくとも250人が避難を余儀なくされた。
メキシコ政府は現在、国内で保護した移民を様々な場所に分散させ、同時に一カ所に集まる人数を制限している。
トランプ(Donald Trump)次期米大統領は1月20日に就任次第、居住権を持たない不法移民の強制送還を開始すると公言し、さらに、メキシコ、カナダ、中国の全輸入品に関税を課すと表明。カナダとメキシコは25%、中国には10%の追加関税を課すとしている。
メキシコ政府はこれを受け、移民の取り締まりを強化し、トランプ氏に成果をアピールしようとしている。
政府は数千人規模の移民キャラバンを解散させ、移民を米国境から遠ざけるために国内各地に分散。同時に一か所に集まる人数を制限し続ける取り組みを推進している。
ロイター通信は目撃者の話しを引用し、「機動隊は野営地を取り囲み、大勢を拘束した」と報じた。
それによると、摘発に抗議する複数人がマットレスや毛布に火をつけ始め、大勢が赤ん坊や荷物を抱えて野営地から逃げ出したという。
死傷者の情報はなく、火災は1時間ほどで鎮火した。
移民局はコメントを出していない。
当局は米国境に近い北部での取り締まりを強化し、捕らえた移民を南部に移送、母国に帰るよう指示している。拒否する者は移民センターに送られる。
18日の摘発で何人が拘束されたかは明らかになっていない。
その多くはベネズエラ人とみられる。この現場は米テキサス州の国境から350キロほどの地点に位置する。