▽スリランカは3年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
インド洋の島国スリランカのディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayake)大統領が15日、訪問先の中国・北京で習近平(Xi Jinping)国家主席と会談した。
両首脳は両国の関係を強化し、投資を促進することで合意した。
中国中央テレビ(CCTV)によると、両首脳は経済・技術開発に関する合意や、中国の大経済圏構想「一帯一路」とスリランカの2030年経済構想の整合化など、15の協力文書に署名した。
その詳細は明らかにされていない。
ディサナヤケ氏は先月、就任後初の外遊先として、中国ではなくインドを選んだ。
ディサナヤケ氏は昨年9月の選挙で初当選。国際通貨基金(IMF)による救済パッケージの条件を微調整し、貧困と汚職を防止するという公約に基づき、左派政党を率いている。
スリランカは3年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。当時の負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。
この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府や首相府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。
ラジャパクサ政権は中国に融資を促し、高速道路、港湾、空港、石炭発電所などを建設。債務を積み上げた。
中国はこの危機で信用を失い、インドはこの危機に乗じてスリランカとの連携強化に成功した。
スリランカは昨年6月、中国、日本、インドを含む主要な貸し手と100億ドルの二国間債務取引の手直しを行い、12月には125億ドルの債権放棄を確保した。