▽昨年EU加盟27カ国内で拘束された不法移民は約23万9000人。加盟国と周辺国の取り締まりが功を奏し、コロナ禍の21年と同水準まで低下した。
欧州国境沿岸警備機関(Frontex)は14日、昨年EU圏に不法入国した移民の数が23年比で38%減少し、21年以来の水準に低下したと明らかにした。
それによると、昨年EU加盟27カ国内で拘束された不法移民は約23万9000人。加盟国と周辺国の取り締まりが功を奏し、コロナ禍の21年と同水準まで低下したという。
しかし、ベラルーシおよびロシア国境から入国する移民の数は23年比で192%増の1万7000人に達した。
移民の多くがシリア、アフガニスタン、イエメン、アフリカのサヘル地域など、紛争地出身である。エジプト、パキスタン、バングラデシュも多い。
アフリカ北部・チュニジアとリビアから出国した移民の数は23年比で59%減。西バルカンルートは78%減となった。
しかし、東地中海ルートは14%増の6万9400人。その多くがシリア、アフガン、エジプト人であった。
また、アフリカ北西部からスペイン領カナリア諸島を目指す世界で最も危険な西アフリカルートも18%増加の4万7000人に達した。
スペインのNGO「カミナンド・フロンテラス(Caminando Fronteras、CF)」は昨年末、24年1月1日~12月5日までの間に海路でスペインを目指した移民1万457人が死亡または行方不明になったと明らかにした。