▽ベネズエラ政府は声明を出しておらず、封鎖の理由も不明である。
ブラジル政府は10日、隣国ベネズエラのマドゥロ政権が国内すべての国境検問所を閉鎖するよう命じたと明らかにした。
ベネズエラはブラジル、コロンビア、ガイアナと国境を接している。
ブラジル外務省によると、国境封鎖は13日まで続くという。
ベネズエラ政府は声明を出しておらず、封鎖の理由も不明である。
同国ではこの日、大統領就任式が行われ、国際社会からの批判をはねのけ、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が3期目をスタートさせた。
米政府はこれを受け、高官8人を制裁リストに追加。さらに、マドゥロ氏にかけている報奨金を2500万ドルに引き上げた。これにより、国営石油会社のCEOや運輸相、警察や軍の関係者などが米国への入国を禁じられ、米国内で保有する資産を凍結された。
イギリスとEUも高官ら15人を制裁リストに追加。カナダも新たな制裁を科した。
ブラジルの左派であるルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領はマドゥロ氏の勝利を認めていないにもかかわらず、就任式に大使を派遣した。
ブラジル外務省は10日の声明で、「ベネズエラの国境閉鎖中、ブラジル国民が求める支援を提供する」と述べた。
マドゥロ氏に忠誠を誓う選挙管理委員会は昨年7月の大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。
米国やEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。
ゴンザレス氏は10日の就任式で宣誓すると表明していたが、実現しなかった。