▽ウクライナ政府は昨年末、ロシア産天然ガスをウクライナ経由で欧州にパイプライン輸送する契約を延長せず、この結果、スロバキアやハンガリーなどへのガス供給は停止された。
スロバキアの首都プラチスラバなどで10日、フィツォ(Robert Fico)首相の政策に抗議する集会が開かれ、数千人が参加した。
デモ隊はフィツォ氏が昨年末にロシアを訪問し、プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談したことや、ロシア寄りの政策に抗議した。
デモに参加したウクライナのNGO代表は群衆に、「民主主義を否定する男がこの国をロシアの属国に変えている」と語った。
デモ主催者はSNSに声明を投稿。「フィツォのロシア旅行は国民に対する裏切り、ウクライナ人に”死ね”と言うようなものだ」と書いた。「この恥さらし!恥を知れ!」
フィツォ氏はウクライナ支援を停止するなど、EUの親欧米派に反旗を翻し、ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相と共にロシア寄りの姿勢を取っている。
ウクライナ政府は昨年末、ロシア産天然ガスをウクライナ経由で欧州にパイプライン輸送する契約を延長せず、この結果、スロバキアやハンガリーなどへのガス供給は停止された。
ロシアは黒海を通ってトルコに至るパイプラインを通じて欧州に天然ガス輸出を続ける方針。スロバキアなどは現在、代替調達や備蓄といった対応を取っている。
ウクライナラインの消失により、欧州のガス価格はさらに高騰する可能性がある。