▽国連によると、毎日5千~1万人のスーダン難民が国境を越え、南スーダンに流入している。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は23日、アフリカ東部・南スーダンに毎日数千人のスーダン難民が流入し、その多くが人道的危機に直面していると明らかにした。
国連によると、毎日5千~1万人のスーダン難民が国境を越え、南スーダンに流入している。
スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が南スーダンなど、周辺国に逃れたと推定されている。
何千人もの難民を受け入れている国境の集落のひとつではMSFと赤十字が対応に苦慮している。この集落で対応にあたるMSF職員は声明で、「100人以上の重傷患者が手術を待っている」と嘆いた。
南スーダンは2011年に独立。2年後の2013年、キール(Salva Kiir)大統領に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の支持勢力に攻撃を仕掛け、内戦が勃発。18年の和平合意で終結した。その犠牲者は40万人以上と推定されている。
南スーダンは内戦、暴力、貧困、自然災害の影響で医療施設もほとんど機能せず、難民の流入に対処できていない。
難民キャンプではコレラが蔓延し、数百人が死亡。1カ月で1000人以上が感染したキャンプもある。
首都ジュバ近郊の難民キャンプではこの1カ月で少なくとも1700人が感染、25人が死亡した。
キャンプの衛生設備は整っておらず、難民たちは未回収の廃棄物、壊れたトイレ、汚染水によって、深刻な健康リスクにさらされている。