▽パキスタンの人口は約2億4000万人。99%がイスラム教徒で、シーア派の割合は15%と推定されている。
-scaled.jpg)
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州の政府当局は20日、対立するイスラム教シーア派とスンニ派の部族に対し、武器を引き渡すよう命じた。
両派の抗争は同州クラム地区で発生し、11月21日に激化。武装集団がシーア派の信徒を乗せたバスや車を攻撃し、52人が死亡した。逮捕者は出ていない。
この攻撃後、いくつかの地域で敵対するグループによる報復が相次ぎ、少なくとも130人が死亡、200人以上が負傷した。
クラム地区に通じる幹線道路は封鎖され、食料、医薬品、燃料、教育、仕事へのアクセスを妨げている。
カイバル・パクトゥンクワ州政府は両派の部族に対し、武器を引き渡し、政府仲介の協定に署名するよう命じた。
また政府は「全ての武器を来年2月までに引き渡す必要がある」と強調した。
さらに、人道的な理由から、両派に道路のバリケードを撤去し、違法占拠を解除するよう命じた。
当局は道路の安全を確保するため、クラム地区に陸軍と警察を配備する予定だ。
しかし、シーア派部族の酋長たちはこの命令を非難。「武器を渡せばイスラム過激派の暴力に対処できなくなる」として、命令に応じない可能性を示唆した。
パキスタンの人口は約2億4000万人。99%がイスラム教徒で、シーア派の割合は15%と推定されている。
両派は概ね平和的に共存しているが、シーア派が多数派の地域、特にカイバル・パクトゥンクワ州では数十年にわたり緊張状態が続いている。
カイバル・パクトゥンクワ州はアフガニスタンと国境を接し、近年テロが多発。その多くに同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)が関与している。