◎チュニジア当局は欧州諸国の支援を受け、南欧へ不法に渡る人身売買組織や移民を摘発するため、国境の取り締まりを強化している。
アフリカ北部・チュニジアの沿岸警備隊が移民船の事故で死亡したとみられる20人に遺体を収容した。当局が19日、明らかにした。
それによると、沿岸警備隊は18日、東部スファックスの沖合で移民とみられる5人を救助し、その後、海岸で20人の遺体を収容したという。
この海岸線はイタリア南部ランペドゥーサ島から130キロほどの位置にある。
沿岸警備隊は19日の声明で、「行方不明者の捜索を続けており、船が出航したときに何人が乗船していたかは分かっていない」と述べた。
チュニジア当局は欧州諸国の支援を受け、南欧へ不法に渡る人身売買組織や移民を摘発するため、国境の取り締まりを強化している。
しかし、この海域では事故が後を絶たず、先週も同じ海岸線沿いで溺死したとみられる9人の遺体が見つかった。
アフリカ北部のチュニジアとリビアに拠点を置く人身売買組織はサハラ砂漠以南の紛争地などから逃れた移民を集め、ボロボロの木造船やゴムボートに乗せ出港させている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年、チュニジアからイタリアに到着した移民は約1万9000人。昨年同時期は9万6000人を超えていた。
今年イタリアに到着した移民の大半はバングラデシュ、チュニジア、シリア人であった。
チュニジア政府は移民に関するデータを公表していない。地元メディアによると、数千人の移民がスファックスの海岸線近くにあるその場しのぎのキャンプで暮らしている。