◎保健当局は16日から今年最後の全国ポリオワクチン接種キャンペーンを開始。10月末から段階的にワクチン接種を進めてきた。
.jpg)
パキスタン当局は18日、南西部バルチスタン州のポリオワクチン接種キャンペーンの期間を延長すると発表した。
同州では国営病院の民営化案に反対する医療従事者のストが行われている。
保健当局は16日から今年最後の全国ポリオワクチン接種キャンペーンを開始。10月末から段階的にワクチン接種を進めてきた。対象は5歳以下の児童約4500万人。期間は12月22日まで。
保健当局は声明で、「バルチスタン州のキャンペーン期間を12月30日まで延長する」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
地元テレビ局は政府関係者などの話しとして、「バルチスタン州の医療従事者がキャンペーンへの参加を拒否している」と伝えている。
医療従事者たちは政府に病院の民営化案を撤回するよう求め、応じるまでストを継続するとしている。
バルチスタン州の医療従事者組合は今週、政府に対し、キャンペーンを実施するために資格のない一般市民を雇用しないよう求めた。
パキスタンと隣国アフガニスタンは世界で唯一、ポリオを根絶できていない。
世界保健機関(WHO)によると、パキスタンでは今年、63人のポリオ患者が確認されている。
ポリオは脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
死亡率はワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、特に妊婦は重症化リスクが高い傾向にある。