◎地中海中央部のクレタ島周辺では昨年からこのような事故が多発している。
ギリシャ南部クレタ島沖で移民を乗せた船が沈没し、5人が死亡、少なくとも40人が行方不明になっている。沿岸警備隊が14日、明らかにした。
それによると、船はクレタ島の南方にある無人島近くで13日深夜に沈没したという。沿岸警備隊は目撃者などの証言から、この船に45~50人が乗っていたとみて、捜索活動を行っている。
この海域では13日、マルタ船籍の貨物船が転覆した移民船を発見し、47人を救助。さらにそのすぐ近くでタンカーが別の移民88人を救助した。行方不明者がいるかは分かっていない。
沿岸警備隊は沈没したボートがアフリカ北部・リビアから出発したとみて調査している。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。
今年ギリシャに不法入国した移民は11月末時点で約5万6000人。その大半がトルコルートを使っていた。これは5年ぶりの高水準で、政府の予測を大きく上回っている。23年通年は約4万9000人であった。
地中海中央部のクレタ島周辺では昨年からこのような事故が多発している。