◎メキシコ軍は100年以上もの間、行動を厳しく制限され、ビジネス上の利害関係もほとんどなかった。
メキシコ陸軍の兵士(Getty Images)

メキシコシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は9日、7つの独立規制・監督機関を廃止することで経費を削減し、その多くを軍兵士の給与などに割り当てると約束した。

上院は先月末、7つの独立規制・監督機関を廃止する法案を賛成多数で可決、下院に送った。

シェインバウム氏の与党・国家再生運動(MORENA)は軍隊の権限を強化することで強力な麻薬カルテルを取り締まってきた。

上院は先週、同国に停泊するクルーズ船の乗客に1人あたり42ドルの入国税を課す法案を賛成多数で可決、成立させた。この税収の3分の2は防衛費に充てられる予定だ。

メキシコ軍は100年以上もの間、行動を厳しく制限され、ビジネス上の利害関係もほとんどなかった。しかし、シェインバウム氏の前任者であるオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)前大統領は軍を警察の捜査に参加させる刑法改正など、自身の政治的・政策的遺産を守る存在とみなし、権限を拡大した。

それ以来、軍は警察や州兵と共に、国内の治安維持任務に当たっている。相手は主に麻薬カルテルだ。

シェインバウム氏は7つの独立規制・監督機関の廃止を「経費削減」と呼び、情報公開請求、独占禁止法違反の確認、エネルギー市場規制などの取り組みを政府がより効率的に処理できると主張している。

この法案が成立した場合、市民から提出された請求に基づいて政府部門に情報を引き渡すよう強制する権限を持つ情報アクセス国立研究所などが廃止される。

外国人投資家や批評家たちはこれが「えこひいき」や「透明性の欠如」につながるのではないかと懸念している。

クルーズ船の乗客に1人あたり42ドルの入国税を課す法案も観光業界から批判を浴びている。この法律は25年1月1日に施行される。これにより、メキシコに停泊したクルーズ船の乗客は全員、一律42ドルを請求されることになる。

この税収の3分の2は防衛費に充てられる予定。港湾施設の改修は後回しである。

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