◎バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
パキスタンのシンクタンク「パキスタン平和研究所(Pakistan Institute for Peace Studies)」は5日、アフガニスタンと国境を接する南西部バルチスタン州の反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が同国の安全保障を脅かす大きな脅威になっていると指摘した。
同研究所は5日に公表したレポートの中で、BLAは同国最大の武装勢力TTP(パキスタンのタリバン運動)に匹敵する規模に成長し、大きな脅威になっていると述べた。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
BLAは先月、バルチスタン州内で数十人を殺害。最も死者が多かったのは州都クエッタの駅での自爆テロだった。
BLAは連邦政府からの独立を目標に掲げ、先月、治安部隊に対する攻撃を開始すると宣言した。
パキスタン平和研究所はBLAの攻撃の頻度と激しさが増し、テロ攻撃がより戦略的になっていると指摘。「政府はテロ組織ではなく、外国の正規軍と戦うような心づもりで対処する必要がある」とした。
レポートによると、パキスタンで先月発生したテロ攻撃は61件で、10月から27%増加。死者数も10月の100人から169人に増加した。
BLAは先月12件の攻撃を実施。死者は45人で、TTPのテロによる死者を上回ったとしている。
レポートによると、BLAはTTPの戦術から学び、より巧妙なテロ攻撃を行うようになったという。
2つの組織の間にイデオロギー的な共通点はないが、BLAはソフトターゲットを攻撃して多くの犠牲者を出し、自爆テロを好む傾向がある。