◎ケニアは今年6月、ポルトープランスに警察官約400人を派遣。それ以来、部隊はギャングの執拗な攻撃に直面している。
中米ハイチの首都ポルトープランスでギャングと国連支援ミッションを率いるケニア国家警察の戦闘が激化している。
ケニア国家警察は地元当局と連携してギャングを取り締まっているが、主導権を取り戻せずにいる。
ケニアは今年6月、ポルトープランスに警察官約400人を派遣。それ以来、部隊はギャングの執拗な攻撃に直面している。
AP通信によると、ポルトープランスのスラム街で5日、ケニア部隊とギャングの銃撃戦が発生した。
部隊を率いる隊長はAPの取材に対し、「敵が降伏した場合は連行し、しなければ、我々が敵の拠点に突っ込む」と語った。
ケニアとハイチの部隊はコンクリート壁の後ろに武器を置き、ギャングの銃弾が飛び交う中、頭を低くして応戦した。
同国の治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは2年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は10月初め頃から激化。中部アルティボニット県では地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
ケニア部隊を率いるミッションの司令官はAPに、「素人集団のギャングに負けるとは微塵も思っていない」と強調した。
ハイチ警察は厳しい現実に直面している。国連によると、今年、この紛争により4500人以上が死亡し、少なくとも2060人が負傷したという。
多くのコミュニティが戦闘に巻き込まれ、この2年で推定70万人が国内もしくは国外に避難したとみられる。
一部の市民は国連ミッションが成果を上げていないことに不満を示し、抗議デモを行っている。