◎デモ隊は与党「ジョージアの夢」がEU加盟交渉の中断を決めたことに憤慨し、国会前に集結。4夜連続で警察と衝突した。
ジョージア・トビリシの国会前で1日夜、政府与党に抗議するデモ隊と警察が衝突し、200人以上が逮捕された。
内務省は2日の声明で、「224人のデモ参加者が公務執行妨害などの疑いで逮捕された」と発表した。
それによると、2日時点で113人の警察官が治療を必要とし、うち3人が入院したという。
デモ隊は与党「ジョージアの夢」がEU加盟交渉の中断を決めたことに憤慨し、国会前に集結。4夜連続で警察と衝突した。
選挙管理委員会は10月26日に行われた議会選(一院制、定数150)の結果を認定し、ジョージアの夢の勝利が確定。野党は票が操作されたと主張し、支持者に抗議デモを行うよう呼びかけている。
数万人のデモ隊が1日夜、国会議事堂前に集まった。一部の参加者は機動隊に向けて花火を発射、機動隊は催涙ガスと放水砲で応戦した。
ズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は2日、拘束されたデモ参加者の多くが骨折や裂傷など、大きなケガを負っているとX(旧ツイッター)に投稿した。
またズラビシュヴィリ氏は拘束された人々の弁護士の話しを引用し、「逮捕から拘置所に移送されるまでの間に暴行を受けた人が大勢いる」と述べた。
ズラビシュヴィリ氏は年末に退任する予定だが、「有権者が選んだ正当な議会」が次の大統領を選ぶまで、そのポストにとどまる意向を示している。
ズラビシュヴィリ氏は政府が「ロシアの手法」を使って言論の自由を取り締まり、選挙を不正に操作したと改めて非難した。
ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUはジョージアの夢が物議を醸す反スパイ法を法制化したことを受け、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。
米政府もこの法律を受け、数十人の政府高官を制裁リストに追加した。
ジョージアの夢は9月初めにLGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法案」を成立させた。
欧州議会は11月29日、ジョージアの議会選を「自由でも公正でもない」と非難する決議を賛成多数で採択。コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相はこれを受け、EU加盟交渉の中断を決めた。