◎メキシコのカリブ海沿岸は世界で最も忙しい寄港地のひとつであり、年間約400万人のクルーズ客を迎えている。
メキシコ議会下院は今週、同国に停泊するクルーズ船の乗客1人あたり42ドルの入国税を課す法案を賛成多数で可決した。
クルーズ船業界関係者はこの計画に憤慨している。しかも、この徴収金の3分の2は港湾施設の整備ではなく、防衛費に充てられる予定だ。
メキシコ海運代理店協会は28日の声明で、「この税金によって、メキシコはクルーズ船の利用者にやさしくない目的地のひとつになりかねない」と非難した。
また同協会は「メキシコの寄港地は世界で最も高い港のひとつになり、カリブ海の他の港との競争に敗れ、多く観光客を失うことになるだろう」と懸念を示した。
同協会は議会上院に対し、この法案を否決するよう求めた。
寄港地でクルーズ船から降りない人も珍しくないため、これまで入国審査料は免除されていた。
法案が成立すれば、メキシコに停泊したクルーズ船の乗客は全員、42ドルを請求されることになるようだ。
オーバーツーリズム対策の一環としてクルーズ船を抑制する取り組みは世界中で行われている。メキシコのカリブ海沿岸は世界で最も忙しい寄港地のひとつであり、年間約400万人のクルーズ客を迎えている。