◎トランプ氏は25日、就任初日にメキシコとカナダの全輸入品に25%の関税を課すと誓った。
2024年11月26日/メキシコ、首都メキシコシティ、シェインバウム大統領(AP通信)

メキシコシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は27日、トランプ(Donald Trump)次期米大統領がメキシコの製品に関税をかけた場合、米国の経済がひどく傷つくことになると警告した。

シェインバウム氏は定例会見で、「トランプ氏が計画を実行に移した場合、メキシコもそれに応えることになる」と述べた。「米国が関税を課せば、メキシコも関税を課すでしょう...」

トランプ氏は25日、就任初日にメキシコとカナダの全輸入品に25%の関税を課すと誓った。

トランプ氏は両国の麻薬・移民流入対策に不満を示し、1月20日の就任初日にカナダ、メキシコ、中国の全輸入品に関税を課すと表明。カナダとメキシコは25%、中国には10%の追加関税を課すとしている。

会見に同席したエブラルド(Marcelo Ebrard)経済相はトランプ氏が貿易戦争を始めることに改めて警戒感を示し、「関税政策が米国の労働市場に与える損失は甚大である」と強調した。

またエブラルド氏はメキシコで生産している米自動車メーカーに言及。「その従業員を含む約40万人の労働者が路頭に迷うことになる」と述べた。

さらに、「その影響は労働者だけでなく、米国の消費者にも及ぶだろう」と指摘した。

米国で販売されているピックアップトラックの大半がメキシコで製造されている。専門家によると、トランプ氏が宣言通りに関税を課せば、その価格は数千ドル、場合によってはもっと値上がりする可能性がある。

エブラルド氏はこう強調した。「自分の足を撃たないでと言いたい。関税はあなたの足元をすくうことになるのです...」

トランプ氏はメキシコに対し、移民と麻薬の流入を阻止するよう求めている。

メキシコの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸している。

オピオイド系鎮痛剤オキシコンチン、パニック障害治療薬ザナックス、アデラルなどにはしばしばフェンタニルが混入しており、その多くが米国に流れ、社会問題になっている

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。

シェインバウム氏はトランプ氏と電話会談を行い、「両国の国境を越える移民について話し合った」と明らかにした。

それによると、シェインバウム氏は移民に関するトランプ氏の不安を和らげたという。

シェインバウム氏はSNSにも声明を投稿。「トランプ大統領と素晴らしい会話をした」と書き込んだ。「私たちは移民に関するメキシコの戦略について話し合い、移民たちはメキシコ国内で処理されているため、米国境に移民はいないことを共有しました...」

アナリストたちはトランプ氏の関税政策が米加メキシコ自由貿易協定に抵触する可能性が高いと警告している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク