◎ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUは政府与党が物議を醸す反スパイ法を法制化したことを受け、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。
2024年11月25日/ジョージア、首都トビリシの国会近く、政府与党に抗議する人々(AP通信)

ジョージアの野党議員と大統領が国会の開会式をボイコットし、機動隊が見守る中、数千人の野党支持者が議事堂周辺で与党「ジョージアの夢」に抗議した。

選挙管理委員会は10月26日に行われた議会選(一院制、定数150)の結果を認定し、ジョージアの夢の勝利が確定した。

野党は票が操作されたと主張し、支持者に抗議デモを行うよう呼びかけている。

今回の議会選はジョージアが「本気で」EU加盟を目指すかどうかを決める国民投票と位置づけられていた。

野党議員は開会式をボイコット。議場に入ったのは88人の与党議員だけだった。

野党連合は共同声明で、「民主主義を取り戻すために必要なことは何でもする覚悟だ」と述べた。

選挙結果を認めていないズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領も開会式に出席せず、有権者に対し、平和的に声を上げ続けるよう促した。

ズラビシュヴィリ氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「不正選挙の証拠と憲法が要求する”正常な”開会を拒否したことから、今国会は違憲である」と書き込んだ。

またズラビシュヴィリ氏は「憲法が保障する2つの基本原則(投票の秘密と普遍性)が侵害された」と主張。憲法裁判所に選挙の無効を求める訴訟を起こしたと明らかにした。

ズラビシュヴィリ氏は「ジョージアの夢が憲法を踏みにじったため、今国会は違憲であり、何の意味もない政治家の集まりになっている」と述べた。

コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相は25日、野党を「とんでもない連中」と呼び、国民に対し、「政権転覆を画策する少数派の意見に耳を貸さないで」と訴えた。

欧州の選挙監視団は今回の議会選について、複数の問題があったと指摘。「脅迫、票の買収、二重投票、与党陣営による暴力が確認された」と報告している。

ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUはジョージアの夢が物議を醸す反スパイ法を法制化したことを受け、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。

米政府もこの法律を受け、数十人の政府高官を制裁リストに追加した。

ジョージアの夢は9月初めにLGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法案」を成立させた。

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