◎ハイチ国連支援ミッションを率いるケニア国家警察は地元当局と連携してギャングを取り締まっているが、主導権を取り戻せずにいる。
ハイチ、首都ポルトープランス、政府とギャングの暴力に抗議するデモ(Getty Images)

国連は25日、中米ハイチの首都ポルトープランスから職員を避難させていると明らかにした。

ポルトープランスでは1カ月ほど前からギャング、警察、自警団による衝突が相次ぎ、数百人が死傷している。

国連によると、少なくとも14人の職員をヘリで北部カパイシアンに空輸し、そのうち何人かは飛行機で国外に脱出する予定だという。

ポルトープランスの国際空港は今月初めに複数の旅客機が地上から銃撃されて以来、閉鎖されている。

AP通信は外交筋の話しとして、「国連のヘリに外国大使館やその他人権団体の職員も同乗する予定」とつたている。

米国南方軍(SOUTHCOM)によると、在米国大使館からの退去を命じられた外交官を輸送するため、空軍のC130機が24日にポルトープランスの空港に到着したという。

ほとんどの外国大使館は事実上閉鎖され、職員は一握りの高官と警備員に限られている。

国連は声明の中で、「一部の職員は国内の安全な場所に移動し、他の職員はハイチを離れ、遠隔で仕事を続ける」と述べた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは2年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は先月初め頃から激化。中部アルティボニット県では地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

ハイチ国連支援ミッションを率いるケニア国家警察は地元当局と連携してギャングを取り締まっているが、主導権を取り戻せずにいる。

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