◎スビアント大統領は今週、ブラジル・リオのG20サミットでこの計画を公表し、喝采を浴びた。しかし、多くの専門家が懐疑的な見方を示している。
インドネシアのスビアント(Prabowo Subianto)大統領は今後15年間で石炭火力発電所やその他化石燃料発電所をすべて廃止し、再生可能エネルギーを大幅に増強する計画を発表している。
スビアント氏は今週、ブラジル・リオのG20サミットでこの計画を公表し、喝采を浴びた。しかし、多くの専門家が懐疑的な見方を示している。
スビアント氏はこう強調した。「インドネシアは地熱資源に恵まれており、今後15年以内に石炭火力発電所やすべての化石燃料発電所を廃止する計画だ。私たちはこの間に75ギガワット以上の再生可能施設を建設する...」
またスビアント氏は「2050年までにネット・ゼロ(温室効果ガスの排出実質ゼロ)を達成するという計画を楽観視している」と述べた。
環境活動家と専門家たちはこの発表を歓迎しながらも、慎重な見方を示している。
インドネシアは汚染度の高い石炭の世界最大級の生産国兼消費国である。現在、250を超える石炭火力発電所が国内で稼働しており、ニッケル、コバルト、アルミニウムといった世界的に重要な資源を加工する新しい工業団地を含め、さらに多くの火力発電所が建設されている。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年にインドネシアのエネルギー部門が排出した二酸化炭素量は6億5000万トンを超え、世界で7番目に多い。
人口増と経済成長により、同国のエネルギー消費量は2050年までに3倍になると予想されている。
専門家たちはスビアント氏がこの計画に真剣に取り組んでいるのであれば、現場で変化が起きるはずと指摘。火力発電所の増強計画を見直す必要があるとしている。