◎ゴイタ氏率いる軍部は2020年のクーデターで政権を掌握。それ以来、国を率いている。
アフリカ西部・マリの軍事政権が軍将官を新首相に選出した。国営テレビが21日に報じた。
それによると、最高指導者のゴイタ(Assimi Goita)大将に忠誠を誓うマイガ(Abdoulaye Maïga)氏が組閣を開始したという。
軍政は前日、同じ名前のマイガ(Choguel Maiga)首相を解任した。2人は血縁関係ではない。
前首相は民間人であり、2021年に首相に就任した。
国営テレビによると、前首相は今月16日の式典で軍指導部を批判したという。
前首相は以前から、国の重要な決定を軍指導部が独断で決めていることに何度か不満を表明していた。
軍政の支配下に置かれるマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘル地域に拠点を置く国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。
この3カ国はクーデター後、旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、サヘル諸国連合(AES)を形成してロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、民間人を巻き込みながら過激派を掃討している。
ゴイタ氏率いる軍部は2020年のクーデターで政権を掌握。それ以来、国を率いている。
前首相は指導部が2024年に予定されていた大統領選を延期したことに不満と怒りを表明し、まもなく解任された。
新首相に軍将官が選出・任命されたことで、軍政は大統領府、国会、内閣を支配することとなった。
新首相のマイガ氏は43歳。過去に政府報道官や副首相を務めている。