◎マドゥロ大統領の支配下に置かれる選管は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。
2024年5月18日/ベネズエラ、首都カラカス、大統領選に立候補したゴンザレス市(左)とマチャド元議員(AP通信)

米政府は19日、7月末に行われた南米ベネズエラの大統領選の勝者をスペインに亡命したゴンザレス(Edmundo González)氏と正式に認定した。

ブリンケン(Antony Blinken)国務長官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「バイデン政権はゴンザレス氏がベネズエラの次期大統領であると認定する」と書き込んだ。

またブリンケン氏は「ベネズエラ大統領選の結果が有権者の意思を反映していることは一目瞭然である」と強調した。

マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の支配下に置かれる選管は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、ゴンザレス氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

米政府はゴンザレス氏の勝利を認めていたが、次期大統領とは認定していなかった。

ゴンザレス氏は19日、「ベネズエラ国民の主権が認められたことに深く感謝する」とXに投稿した。「この認定はベネズエラ国民の変革への願いと、国民の偉業を称えるものです...」

ゴンザレス氏と共に選挙戦に挑んだマチャド(María Corina Machado)元議員もXへの投稿で、「ゴンザレス氏がベネズエラの大統領に就任する!」と書き込んだ。

またマチャド氏はマドゥロ氏を厳しく非難。今すぐ辞任し、過去の弾圧の責任を取るよう求めた。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

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