◎スーダン難民の大半が女性である。国連は難民が増え続ける中、支援を維持するのに苦労している。
アフリカ北東部・スーダンの内戦に巻き込まれ隣国チャドの難民キャンプに逃れた多くの女性が性的搾取に直面している。
チャド国境の国連難民キャンプに逃れた女性は15日、AP通信の取材に対し、「セックスに応じれば家族全員分の食料を渡すと言われ、それに応じ、5人目の子供を妊娠・出産した」と語った。
この女性は27歳で、昨年4月に内戦が始まった直後にチャドに逃れ、セックスと引き換えに支援を約束した援助者の子供を産み、育てている。
APの取材に応じた多くの女性や女児が、「自分たちを搾取した男の中には人道支援団体の職員や地元の治安部隊が含まれている」と証言した。
19歳の女性はAPに「戦地から逃れる際、多くの遺体を目撃し、命からがら母親と一緒にチャドに逃れ、国連に助けを求めた」と語った。
また女性は「難民キャンプでの生活も厳しく、家族を賄うために何度も売春し、その結果、子供も産んだ」と述べた。
チャドの治安当局はAPに対し、難民キャンプ周辺で働く治安部隊が性的搾取に関与したという女性の主張を否定した。
スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強、約2500万人が飢餓に直面し、少なくとも1160万人が避難を余儀なくされ、うち310万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
スーダン難民の大半が女性である。国連は難民が増え続ける中、支援を維持するのに苦労している。
女性はAPに「支援が十分でない結果、多くの女性が身体を売らざるを得ない状況に置かれている」と語った。
国連によると、難民キャンプには女性向けの「安全な空間」があり、虐待を匿名で報告できる無料のホットラインや意見箱も設置されているという。