◎軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院は13日、アフリカ北東部・スーダンの内戦における死者数が国連の推計をはるかに上回っていると明らかにした。
それによると、内戦が始まってから14カ月間で、首都ハルツームとその周辺地域だけで6万人以上が死亡したとみられる。
その内訳は戦闘による死者が約2万6000人、その他は飢餓や感染症などが原因と結論付けている。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強、約2500万人が飢餓に直面し、少なくとも1160万人が避難を余儀なくされ、うち310万人は周辺国に逃亡したと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院は飢餓と病気がスーダン全土で報告される死因の主なものになりつつあると指摘した。
米国医師会のスーダンプログラムは声明で、「この推定は信憑性がある」と指摘した。
また医師会は「多くの市民が栄養失調による免疫力の低下に直面し、感染症にかかりやすくなっており、普通の健康状態であれば回復する風邪やインフルエンザでも命を落としている」と述べた。
国連は内戦が始まって以来、2万~2万4000人以上が死亡したと推定している。