◎政府は2年前、経済的苦境を理由に大統領選を延期していた。
2024年11月13日/ソマリランド、中心都市ハルゲイサの投票所、票を投じるアブディ大統領(AP通信)

アフリカ東部・ソマリアの係争地ソマリランドで大統領選の開票作業が進められている。

選挙管理委員会は14日の声明で、「13日の投票は何事もなく平和的に行われ、来週結果を公表する」と述べた。

地元メディアによると、予備結果は15日に発表される予定だ。

政府は2年前、経済的苦境を理由に大統領選を延期していた。

アブディ(Muse Bihi Abdi)大統領はソマリランドの国際的承認を推進してきた7年間の任期を終え、再選を目指している。

専門家によると、野党の2候補とアブディ氏の公約に大きな違いは見られず、誰が勝利してもソマリランドの国際的な承認を求める取り組みは継続される見通し。

ソマリランド(旧イギリス領)は1991年にソマリア(旧イタリア領)から独立。国連は同国の独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国がハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。

ソマリアはソマリランドを自国の領土の一部とみなしている。

今回の選挙はエチオピアの承認と引き換えにソマリランドの海岸線をエチオピアにリースすることを認める覚書が争点となった。

エチオピアとソマリランドの首脳は今年初め、ソマリランド領内におけるエチオピアの海岸利用を許可する覚書に署名。これにより、世界で最も人口の多い内陸国であるエチオピアはソマリランドの海岸線に海軍基地を建設できるようになった。

ソマリア政府はそれ以来、エチオピアに対抗するためにエジプトとエリトリアに支援を求めている。

ソマリランドは30年以上自治を守っているが、独立を承認した国はひとつもない。

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