◎問題ない、問題ないと言っていますが、問題大ありです。非常に非常に大きな問題です…
メキシコ、首都メキシコシティの在米国大使館、サラザール駐米大使(AP通信)

メキシコのサラザール(Ken Salazar)駐米大使は13日、メキシコ政府が麻薬カルテルとの闘いにおける援助を拒絶していると批判した。

サラザール氏は記者会見で、横行する暴力、警察の腐敗、メキシコ政府の「大丈夫、問題ない」という誤った態度について、これまでで最も厳しく批判した。

「問題ない、問題ないと言っていますが、問題大ありです。非常に非常に大きな問題です...」

メキシコ外務省はサラザール氏の発言に「驚きを表明する」書簡を在米国大使館に送ったと声明で出した。

サラザール氏は北西部シナロア州でのここ数日の暴力事件を例に挙げた。

シナロア州警察は13日、クリアカンの道路脇で5~7体のバラバラ遺体を発見したと明らかにした。同州では12日にも複数のバラバラ遺体が見つかっていた。

サラザール氏はこう強調した。「死体の山が見つかったそうです。これでも問題ありませんか?」

シナロア州警察の署長は地元テレビ局の取材に対し、「少なくとも5人の頭部を確認したが、多くのパーツがぐちゃぐちゃで、7人と話す署員もいる」と語った。

四面楚歌のシナロア州知事は12日、バラバラ遺体が見つかったことについて、「我々はうまくやっている」と主張した。

サラザール氏はシナロア州の現状について、「いたるところに遺体が放置されている」と嘆いた。

サラザール氏は以前、メキシコ政府の政策を概ね擁護していた。しかし、13日の会見では前政権の「弾丸ではなく抱擁」アプローチをきっぱり否定した。

シナロア州では7月下旬に米国で世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの幹部2人が逮捕されて以来、派閥間の争いが続いている。このうち1人は麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者の息子である。

陸軍と警察は警戒態勢を強化しているものの、この数カ月で数十人が殺害もしくは行方不明になり、1人も逮捕者が出ていない異常事態となっている。

こうした事態にもかかわらず、先月就任したシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は前任の抱擁アプローチを継続すると誓っている。

カルテル・ギャング抗争はシナロア州以外の地域でも激化しており、南部ゲレロ州チルパンシンゴでは12日、現職の警察官が市長を殺害したとして逮捕された。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク