◎ブリエンツは世界経済フォーラム(ダボス会議)が毎年開催されることで有名なダボスの南西、標高約1150メートルに位置する人口約100人の小さな集落である。
スイス中部ベルニーズアルプスの集落ブリエンツの住民が当局の避難命令を受け、荷造りを進めている。
当局は9日、集落に岩石流が押し寄せる可能性があるとして、住民に避難準備を命じた。
地元メディアによると、当局は住民に対し、17日の午後1時までに退避を終え、政府が用意するホテルなどに避難するよう勧告したという。
ブリエンツの住民に避難勧告が出たのは昨年5月以来2度目だ。
ブリエンツは世界経済フォーラム(ダボス会議)が毎年開催されることで有名なダボスの南西、標高約1150メートルに位置する人口約100人の小さな集落である。
ブリエンツの自治体は12日の声明で、「地質学および自然災害の専門家と潜在的な危険性を分析し、17日の午後1時までに退避を終える必要があるという結論に対し、住民に通達した」と述べた。
昨年5月にも同様の避難が行われた。その翌月には斜面の一部が崩れたものの、村には到達しなかった。
自治体の広報担当はAP通信の取材に対し、「避難は始まっている」と語った。
それによると、住民の7割は政府が提供する宿泊先に避難する予定。残りは親族や知人の家に避難する予定とのこと。政府は全住民の避難先を確保したとしている。
公共放送SRFは9日の報道で、「9月後半から瓦礫の先端が1日に30センチ以上、集落側に移動している」と報じていた。
SRFによると、この斜面は氷河期以来、岩石とともに少しずつ動き続けてきたという。