◎政府は年内にインフレ率を3%以下にすると約束し、実現したのである。
南米アルゼンチンの10月の消費者物価指数(CPI)が2.7%まで低下し、過去3年間で最低の水準となった。
昨年就任したミレイ(Javier Milei)大統領は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、自国通貨アルゼンチン・ペソの切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。
その結果、月次インフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
国家統計局は12日、先月のインフレ率を発表、前年同月比で2.7%増となった。9月は3.5%増であった。
年間ベースでみると、9月は209%増、10月は193%となっている。
ミレイ氏はここ数ヶ月の物価下落を受け、過去数十年で最悪の経済危機との戦いに勝利したと宣伝してきた。
政府は年内にインフレ率を3%以下にすると約束し、実現したのである。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率の激増につながった。
ミレイ氏はトランプ(Donald Trump)次期大統領を敬愛するリバタリアンであり、トランプ氏を「最強の男」「陛下」などと呼んでいる。