◎イランの女性はシャリア(イスラム法)に基づき、ヒジャブなしで外出することを禁じられている。
イラン・テヘランのイスラム・アザド大学構内でヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を着用せず、服を脱ぎ捨て下着姿になった女性が当局に拘束された。
11月2日に撮影された動画には大学構内の屋外エリアにある階段のそばに服を脱いだ女性が座っている様子が映っていた。
その後、女性は歩道を歩き、道路を横断した後、治安部隊に取り囲まれ、車に押し込まれた。
イランの女性はシャリア(イスラム法)に基づき、ヒジャブなしで外出することを禁じられている。
大学もヒジャブの着用を義務付けているため、女性は校内をパトロールする道徳警察に見つかり、拘束された。
地元紙によると、女性は警察署に連行され、その後精神科に移されたという。
大学の広報担当者は声明で、「女性が服を脱いだ理由は分かっておらず、当局が調査中である」と述べた。
イラン指導部はデモ参加者の行為が不安定な精神状態によるものとして、精神科に連行した過去がある。
しかし、この映像がSNSで拡散すると、多くのユーザーが「彼女は狂っていない」「指導部に抗議するため、ヒジャブだけでなく、服も脱ぎ捨てた」などと投稿し、連行された女性を称賛した。
人権団体やNGOも女性に何が起きたのか説明するよう当局に要請している。
これまでに数十万にユーザーが女性の「勇気」と「抵抗」を称賛。イランにおける女性の権利のためのスローガンである「女、命、自由」というハッシュタグをつけて動画を共有した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルはX(旧ツイッター)に声明を投稿。当局に対し、女性を直ちに釈放するよう求めた。