◎与党・ジョージアの夢は26日に行われた選挙で得票率54%となり、第1党を堅持した。
2024年10月29日/ジョージア、首都トビリシ、議会選の結果に抗議する集会(ロイター通信)

ジョージアの検察庁は30日、週末に行われた議会選の不正投票疑惑について調査を開始したと発表した。

野党陣営はこの調査に異議を唱え、検察庁を与党・ジョージアの夢の「子分」と呼び、「独立した公正な調査は行わないだろう」と主張した。

与党・ジョージアの夢は26日に行われた選挙で得票率54%となり、第1党を堅持した。

ズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領を含む野党党首らは与党が有権者を買収し、票を盗んだと主張。国民に抗議デモを行うよう促している。

欧州の監視団も複数の問題があったと指摘。脅迫、票の買収、二重投票、与党陣営による暴力が確認されたと明らかにした。

ジョージアの独立系メディアも複数の違反を報告。「結果は有権者の意思を反映していない」と報じた。

米国とEUは違反の疑いについて、完全かつ透明性のある調査を求めている。

ズラビシュヴィリ氏ら野党党首らは28日夜の集会でジョージアの夢を非難。「国民はロシアの属国になることを望んでいない」と強調した。

検察庁は選挙管理委員会の要請に基づき、調査を行うとしている。それによると、不正の証拠を持っていると主張するズラビシュヴィリ氏らを召還する予定だという。

しかし、ズラビシュヴィリ氏は検察庁の召喚状には従わないと言明。「検察は公僕であるにもかかわらず、有権者を無視して与党にこびへつらい、証拠探しをめんどくさがり、国家元首を召還すると脅している」と断じた。

ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUはジョージアの夢が物議を醸す反スパイ法を法制化したことに対応し、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。

米政府はこの法律を受け、ジョージア政府高官数十人を制裁リストに追加した。

これは外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるものである。 

さらにジョージアの夢は今月初め、LGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法案」を成立させた。

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