◎シスタンバルチスタン州はイランで最も開発が遅れている地域のひとつであり、イスラム教スンニ派が多数派を占める。
イラン南部シスタンバルチスタン州で正体不明の武装集団が警察の車列を襲撃し、少なくとも10人の警察官を殺害した。国営イラン通信(IRNA)が26日に報じた。
現場は同州郊外の道路。首都テヘランの南東約1200キロに位置する。
IRNAは当初、「不届き者がパトカーの車列に攻撃を仕掛けた」と報じ、詳細な情報はなかった。
しかし、最初の報道から数分後、少なくとも10人の警察官が死亡したと伝えた。
イラン、アフガニスタン、パキスタンで活動するバルチ族の支援団体はイランの警察が使用する緑色のストライプで塗装されたトラックの写真と動画を投稿している。それにはトラックの前座席に2人の警察官の死体らしきものが写っていた。
この支援団体によると、武装集団は警察のトラックともう1台の乗用車を狙ったとみられ、乗っていた10人全員が死亡したという。トラックの損傷は銃弾によるものだけで、爆発物は使われていないとみられる。
IRNAによると、内務省はこれをテロ攻撃と断定し、警察に対し、直ちに捜査を開始するよう命じたという。
シスタンバルチスタン州では今月初めにも正体不明の武装集団が町議会の議長らを襲撃し、革命防衛隊(IRGC)の兵士を含む6人が死亡。昨年末には武装勢力が同州の警察署を襲撃し、警察官少なくとも12人を殺害した。
シスタンバルチスタン州はイランで最も開発が遅れている地域のひとつであり、イスラム教スンニ派が多数派を占める。イラン指導部はシーア派を国教に定めている。