◎「健康オタク」を自負するシェインバウム大統領は豆とトウモロコシの増産に関心を持っているようだ。
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は22日、国民の食と健康および、食料自給率の改善に焦点を当てた農業計画を発表した。
シェインバウム氏はポテトチップスやハンバーガーなどのジャンクフードではなく、豆のタコスや米を食べるよう国民に促している。
この計画はメキシコの食料生産と流通をトルティーヤ、豆、インスタントコーヒー、安価なホットチョコレートが主流だった1980年代に戻す可能性がある。
40年前、多くの市民がそのような食材を国営のスーパーで購入していた。
シェインバウム氏は22日の定例会見で、一部の限られた食材や日用品を取り扱う国営スーパーを復活させ、食料自給率を向上させ、「食料主権」を取り戻すと誓った。
メキシコの食料自給率は20%程度で、多くを米国から輸入している。
シェインバウム氏は「自分たちが食べるものは自分たちで生産することが重要だ」と述べ、豆とトウモロコシの生産を増やすことに主眼を置くとした。
メキシコは自国で生産した野菜の多くを米国とカナダに輸出している。専門家によると、メキシコにおける豆やトウモロコシの消費量は減少傾向にある一方、米国産ジャンクフードの消費量は右肩上がりだという。
「健康オタク」を自負するシェインバウム氏は豆とトウモロコシの増産に関心を持っているようだ。同氏は21日、「ポテトチップスより豆のタコスを食べる方がずっといい」と述べていた。
シェインバウム氏はトルティーヤに使われるトウモロコシを栽培する農家の支援を拡充し、さらに、トルティーヤの価格を10%引き下げることに焦点を当てるとした。
政府は輸入豆に代わる豆の生産量を6年間で約30%増やすことを目指しており、より収量の多い豆を生産するために、研究センターを立ち上げる予定だ。
シェインバウム氏は「豆の自給自足は政府の最優先課題のひとつだ」と述べた。
政府はコーヒーとカカオの生産支援にも力を入れるとしている。