◎モンドラーネ氏は首都マプトの中心部で記者団の取材に応じていたところ、治安部隊の攻撃を受けた。
2024年10月21日/モザンビーク、首都マプトの国会議事堂近く、陸軍の兵士(AP通信)

アフリカ南東部・モザンビークの治安部隊が大統領選に出馬した野党候補のモンドラーネ(Venancio Mondlane)氏に向けて催涙ガス弾を発射し、追い払った。現地メディアが21日に報じた。

それによると、モンドラーネ氏は首都マプトの中心部で記者団の取材に応じていたところ、治安部隊の攻撃を受けたという。

選挙管理委員会は16日、先週9日に行われた大統領選の得票率(速報値)を公表し、与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)のシャポ(Daniel Chapo)候補の勝利が確実となった。

野党は選管のデータを詐欺と呼び、裁判に打って出ると宣言している。

選管の発表から数日後、市民社会組織PODEMOSの大統領候補の弁護士と同党の報道官が待ち伏せ攻撃に遭い、射殺される事件が発生した。逮捕者は出ていない。

モンドラーネ氏がフェイスブックに投稿した動画には、治安部隊が取材を受けるモンドラーネ氏に向けて催涙ガス弾を撃ち込む様子が映っている。

モンドラーネ氏、側近、支持者、ジャーナリストたちは催涙ガス弾が降り注ぐ中、パニック状態で現場から離れた。地元メディアによると、ジャーナリスト1人が負傷したという。

モンドラーネ氏は先週、有権者に対し、21日にゼネラルストライキを行うよう呼びかけていた。

モンドラーネ氏の広報担当によると、同氏と支持者たちはPODEMOSの関係者2人が殺害された現場近くで集会を開く予定だったという。

治安部隊はマプトの他のデモ参加者にも催涙ガスを発射した。

国家警察の報道官は国営ラジオの取材に対し、「多くの市民から暴動発生の通報を受け、現場に署員を派遣し、6人を逮捕した」と語った。

FRELIMOは1975年の独立時に政権を握り、その後、反政府勢力「モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)」と15年にわたると血生臭い内戦を戦った。RENAMOは後に主要野党となり、今回の選挙にも候補を擁立した。

選管は今週後半に最終結果を発表する予定だ。シャポ氏の得票率はモンドラーネ氏を含む他の野党候補に大差をつけている。

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