◎軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
アフリカ北東部・スーダンの軍事政権と激戦を繰り広げる準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が21日、西部ダルフール地方で外国の傭兵と爆弾を積んだ貨物機を撃墜したと発表した。
ソーシャルメディアで共有された動画には貨物機の墜落現場とみられる野原で火災が発生し、RSFの戦闘員とみられる男たちが残骸から回収した身分証明書などを見せびらかす様子が映っていた。
それによると、この貨物機はRSFを支援していると以前告発されたアラブ首長国連邦(UAE)の国営企業の関連会社が運航していたとみられるが、詳細は不明だ。
UAE側はこの告発を「とんでもないウソ」と否定している。
AP通信は関係筋の話として、「在スーダン・ロシア大使館の外交官がこの事件を調査している」と報じた。
貨物機は隣国チャドとの国境に近いダルフール北部の平地に墜落したとされる。
APによると、この貨物機にロシア人が乗っていた可能性があるという。
軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万4000人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
RSFは声明の中で、「軍を支援している外国の戦闘機を撃墜した」と主張。「その戦闘機は民間人に樽爆弾を投下していた」と述べたが、真偽は不明である。
RSFはこう強調した。「この戦闘機に乗っていたすべての外国人傭兵は排除された」
軍政は先月末にハルツーム奪還作戦を本格化させた。両陣営は北ダルフール州エルファーシルでも激戦を繰り広げている。
RSFはダルフール5州のうち4州(東、西、中央、南)を支配するも、軍政とその支援民兵が激しい抵抗を続ける北ダルフール州で苦戦を強いられている。