◎18日に発生した大規模停電は3日目に突入。20日午後になってもほとんど復旧せず、多くの市民がウンザリする中、オスカーが東部地域にやってきた。
2024年10月19日/キューバ、首都ハバナの通り(Getty Images/AFP通信)

カテゴリー1のハリケーン・オスカーが20日、中米キューバ東部に上陸し、一部地域に強風と大雨をもたらしている。

18日に発生した大規模停電は3日目に突入。20日午後になってもほとんど復旧せず、多くの市民がウンザリする中、オスカーが東部地域にやってきた。

<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:風速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:風速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:風速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:風速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:風速 70~(m/s)

国立ハリケーンセンター (NHC)によると、オスカーは上陸後まもなく勢力を弱め、熱帯低気圧になったという。

共産党は19日、一部地域の停電が解消したと発表。しかし、現地メディアによると、西部のいくつかの地域が通電したものの、その後、再び停電したという。

ディアスカネル(Miguel Díaz-Canel)大統領は20日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。21日夜までにはほとんどの地域の停電が解消すると書き込んだ。

オスカーが上陸した東部地域では30メートルの強風を観測。NHCは広い範囲で雨が強まり、洪水や土砂崩れのリスクが高まっていると警告した。

停電が始まって以来、数百万人がエアコンも扇風機もない中、不安な夜を過ごしている。

食料は冷蔵庫の中で腐り始め、薪で調理しなければならない家庭もある。水の供給は電動ポンプに頼っているため、多くの家庭で水が出ない。

SNSには「給水車がこない」「食料がない」「助けて」「政府は何をしているの?」といった投稿が数えきれないほど寄せられている。

学校や企業は閉鎖。自家発電で対応している首都ハバナの基幹病院も閉鎖されるのではないかという懸念が高まっている。オスカーがボロボロの電力網に追い打ちをかける可能性もある。

ディアスカネル氏は声明の中で、「オスカー上陸に先立ち、多くの関係者が不眠不休で働いている」と述べ、国民に理解と忍耐を求めた。

キューバはパンデミック以来、史上最悪の経済・エネルギー危機に直面しており、停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。

さらに食料不足とインフレが危機に拍車をかけ、数十万人が国外に逃亡。その大半が米国を目指している。

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