◎移民たちは他の中米諸国とメキシコを巻き込んで米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。
2024年10月20日/メキシコ、チアパス州タパチュラ、米国を目指す移民(AP通信)

メキシコ南部チアパス州の国境検問所から約2000人の移民が米国に向けて出発した。現地メディアが20日に報じた。

それによると、同州タパチュラの国境検問所で移動を許可された中南米の移民約2000人が夜明け前に徒歩で北部の米国国境に向けて出発したという。

ベネズエラから来たという男性はAP通信の取材に対し、「米国の新政権が移民の入国を規制するかもしれないという噂が流れ、数カ月前に自宅を飛び出した」と語った。

米政府は8月末、移民がオンラインで入国を予約・申請できる地域をメキシコ南部の広範囲に拡大。これにより、移民は南部チアパス州とタバスコ州で専用アプリを使えるようになった。これまでは中部と北部の一部地域に限定されていた。

地元メディアによると、メキシコ南部で仕事を見つけることが難しくなっていることも移民の移動に拍車をかけているようだ。

ホンジュラス出身の男性はAPに、「私はまだ出発できないので、仲間を見送りに来た」と語った。

それによると、男性は1週間ほど前にメキシコに到着し、当局の許可と国内を移動する際に必要な書類を待っているという。当局の許可を得るまではタパチュラを離れることはできない。

今回米国に向かったキャラバンはシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領が今月1日に就任して以来、最大規模であった。

シェインバウム氏は今のところ、前任者が確立した移民政策に変更を加えていない。

10月の初めには800人と600人の移民グループがこの地域を離れた。

地元メディアによると、メキシコ南部では現在、約4万人の移民が通行許可証などの書類を待っているという。

スポンサーリンク