◎サーブ氏は2020年、米当局の逮捕状に基づき、アフリカ北西部・カーボベルデで逮捕された。
ベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が18日、米国との囚人交換で昨年赦免された元側近を経産相に任命した。
マドゥロ氏はテレグラムに声明を投稿。アレックス・サーブ(Alex Saab)氏を経産相に任命したと明らかにし、「彼は新しい経済モデルを確立し、ベネズエラの産業システムを進化・発展・促進させることができる」と絶賛した。
サーブ氏は2020年、米当局の逮捕状に基づき、アフリカ北西部・カーボベルデで逮捕された。
サーブ氏はそれ以来、米国の拘置所に勾留されていたが、昨年12月に自由の身となり、ベネズエラに戻った。米当局はサーブ氏をマドゥロ氏のバッグマン(取り立て屋)と呼んでいる。
マドゥロ氏はバイデン政権との取引でサーブ氏の恩赦を確保。ベネズエラはサーブ氏と引き換えに、10人の米国市民と国防総省の巨額収賄スキャンダルの中心的役割を担った疑いで指名手配されていたレナード・フランシス(Leonard Glenn Francis)を釈放した。
ベネズエラ史上最大の囚人交換は2024年の大統領選を公正なものにし、野党候補の参加を認めるという約束に基づき、実施された。
しかし、米政府は今年、マドゥロ氏がこの約束を守らなかったとして、経済制裁の緩和を打ち切った。
ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。