◎ウクライナ軍によるロシア西部クルスク州への越境攻撃は73日目に突入した。
ウクライナ空軍は17日、ロシア軍が南部ミコライウ州のインフラ施設を攻撃したと明らかにした。
それによると、防空部隊が同州上空に飛来したドローン22機を撃墜し、27機が電子戦システムにより墜落したとみられるという。
首都キーウ当局も同日、ドローンの破片が市内の幼稚園の敷地に落下したと発表。死傷者の報告はない。
ウクライナ軍によるロシア西部クルスク州への越境攻撃は73日目に突入。数十キロにわたる前線で激しい戦闘が続いているものとみられるが、戦況はほとんど明らかになっていない。
ゼレンスキー大統領(Volodymyr Zelenskyy)は17日、訪問先のベルギー・ブリュッセルでEU首脳に自身が策定した対ロシア戦争の「勝利計画」を提示。ウクライナをNATO加盟交渉に招待するよう求めた。
またゼレンスキー氏は数千人規模の北朝鮮軍兵士がロシア側についてウクライナで戦う準備を進めており、「北の一部の将校はすでにウクライナに派遣されている」という見方を示した。
北東部スムイ州政府は17日、ロシア軍のドローン攻撃により行政庁舎で火災が発生し、車2台が損傷したと発表。ケガをした人はいなかったという。
ロシア軍は南部ミコライウ州のエネルギーインフラを攻撃したと声明を出した。それによると、ドローン56機とミサイル1発を発射し、被害を与えたという。
ウクライナ空軍はロシア軍が17日に発射したドローン136機のうち51機を撃墜したと報告している。
一方、ロシア大統領府はゼレンスキー氏が提示した勝利計画で事態が一段と悪化し、ロシアとNATOの直接紛争のリスクが高まると改めて警告した。
NATOは勝利計画を「強力なシグナル」としながらも、「現状では全面的に支持できない」という考えを示している。
米財務省は17日、攻撃用ドローンの製造と出荷に関与した中国企業2社とロシアの関連会社を制裁リストに追加した。
ノルウェー政府はこの日、ウクライナに近い将来、米製F16戦闘機を6機供与すると発表。オーストラリアもウクライナに米製の主力戦車「M1A1エイブラムス」49両を寄贈すると発表した。