◎ボルソナロ前大統領を敬愛する暴徒たちは23年1月8日、ルラ大統領の就任に抗議し、連邦議会、最高裁、大統領府に押し入った。
2023年1月8日/ブラジル、首都ブラジリアの連邦議会(Eraldo Peres/AP通信)

ブラジル連邦警察が23年1月の連邦議会襲撃事件に関与し、アルゼンチンなどに逃亡した容疑者の身柄引き渡しを要求している。AP通信が16日、関係者の話しとして報じた。

それによると、警察は最高裁判所のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事に要請書を送り、最高裁はこれを認めたうえで、法務省に容疑者の身柄引き渡しを請求するよう求めたという。

ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領を敬愛する暴徒たちは23年1月8日、ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の就任に抗議し、連邦議会、最高裁、大統領府に押し入った。

暴徒は機動隊のバリケードを飛び越え、屋根によじ登り、窓を割り、室内を荒らしまわった。

ルラ氏はボルソナロ氏が暴動を後押ししたと非難。当局による捜査は現在も続いている。

APは政府関係者の話しとして、「連邦警察は63人の身柄引き渡しを求め、そのほとんどが隣国アルゼンチンにいるとみられる」と伝えている。

ジモラエス氏はこの暴動の捜査を指揮しており、容疑者と有罪判決を受けた者の出国を禁じている。

ボルソナロ氏とその取り巻きたちは不正行為を否定、自分たちを政治的迫害の犠牲者と主張している。

ボルソナロ氏は投票システムの信頼性に繰り返し疑念を投げかけ、22年10月の大統領選で敗北を認めず、ルラ氏の就任式にも出席しなかった。

連邦警察は6月、暴動後に国外に逃亡した者を逮捕する作戦を開始。200人以上が捜査当局の出頭要請に応じず、アルゼンチンなどに逃亡したとされる。

APによると、ジモラエス氏は先週、アルゼンチン外務省に対し、暴動に関与した143人がアルゼンチン領内にいることを確認したと報告。この書簡は首都ブエノスアイレスの在ブラジル大使館経由で外務省に届けられた。

スポンサーリンク