◎メキシコにはEVに欠かせないリチウムイオン電池の工場がない。また、充電インフラもほとんど整備されておらず、電気料金の高さも障害となる可能性がある。
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は11日、米電気自動車(EV)大手テスラに鼻であしらわれながらも、中国の輸入車に対抗するため、メキシコ製の小型で手頃なEVを作ると誓った。
シェインバウム氏は定例記者会見で、「テスラ車はメキシコ市場にとって、負担が大きすぎる。つまり高すぎる」と述べた。テスラの最も安いモデルの価格は約3万ドル(450万円)だ。
テスラのマスク(Elon Musk)CEOは7月、自動車関税の可能性に関するトランプ(Donald Trump)前大統領音の発言を理由に、「メキシコ工場の新設計画を一時停止した」と明らかにした。
トランプ氏は再選した場合、メキシコで製造された自動車に関税を課すと主張している。
シェインバウム氏は「国内の自動車メーカー、企業、研究者の力を結集し、コンパクトで安価なEVを生産しようと考えている」と述べた。
またシェインバウム氏は「メキシコ国内でEVに必要なパーツを生産すれば、より安価に販売することができる」と強調した。
シェインバウム氏は中国やインドのEVを例に挙げた。メキシコ国内では現在、中国の小型電動バイクが人気を集めているが、シェインバウム氏は「これに3人で乗るのは危ないし、ルール違反である」と述べた。
メキシコにはEVに欠かせないリチウムイオン電池の工場がない。また、充電インフラもほとんど整備されておらず、電気料金の高さも障害となる可能性がある。