◎オースティン米国防長官はイスラエル向けの軍事支援87億ドル(1兆2700億円)を確保。ネタニヤフ政権を支援し続けると表明した。
2024年9月25日/レバノン南部、イスラエル軍の空爆(AP通信)

イスラエル政府は26日、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの停戦を求める国連の呼びかけを一蹴し、空爆を継続。レバノン側の4日間の死者は700人を超えた。

米政府はイスラエルが停戦を求める米国主導の国際的呼びかけを拒絶したにもかかわらず、イスラエルと「調整」を続けているとしている。

オースティン(Lloyd Austin)米国防長官はイスラエル向けの軍事支援87億ドル(1兆2700億円)を確保。ネタニヤフ政権を支援し続けると表明した。

支援策には35億ドルの戦時必需品調達費のほか、防空システム「アイアンドーム」「ダビデ・スリング」などのための52億ドルの支援が含まれる。

一方、パレスチナ・ガザ当局は26日、88体の身元不明の遺体がイスラエル当局から返還されたことを受け、イスラエルによるパレスチナ人の遺体に対する「非人道的かつ非道徳的な扱い」を非難した。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は25日の時点で4万1500人超、負傷者は9万6000人を超えた。

イスラエル政府高官は26日、米国やフランス、中東や他の欧州諸国が提案した21日間の停戦案について話し合うため、ワシントンDCを訪問した。

イスラエル首相府はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「米国のイニシアチブについて協議する会合が26日に行われ、今後数日間、話し合いを続ける」と書き込んだ。

イスラエル軍は25日、ヒズボラがさらなる攻撃を計画しているとして、地上侵攻に踏み切る可能性を示唆。ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も26日、「目標を達成するまでヒズボラへの攻撃を止めるつもりはない」と言明したが、態度を軟化させた可能性がある。

イスラエル首相府は一部メディアが停戦について報じると、「報道は事実ではなく、これはあくまで米仏の提案であり、ネタニヤフ首相はそれに応じていない」と声明を出した。

また首相府はネタニヤフ氏の発言を引用。「目標を達成するまでヒズボラへの攻撃を止めるつもりはない」と強調した。

ネタニヤフ氏は27日に国連総会で演説するため、ニューヨークを訪れている。

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