◎ペゼシュキアン氏は米政府によるイランへの厳しい経済制裁や、トランプ政権時代のソレイマニ司令官暗殺にも言及した。
イランのペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領が24日、国連総会で演説し、西側との関係改善に改めて意欲を示した。
ペゼシュキアン氏は「自国の国際関係に建設的な章を開きたい」と表明。2018年に破綻したイラン核合意をめぐり、「西側と話し合う用意がある」と述べた。
またペゼシュキアン氏はパレスチナ・ガザ地区の紛争を改めて強く非難。「イスラエルが市民を虐殺している」と断じた。
さらにイスラエル軍によるレバノンへの空爆も「ジェノサイド(集団殺害)」「人道に対する罪」であると非難した。
ペゼシュキアン氏は「我が国が新時代に入るための強固な基盤を築き、発展する世界秩序の中で効果的かつ建設的な役割を果たすことを目指す」と語った。
またペゼシュキアン氏はすべての戦争に反対し、ウクライナ戦争の即時停止の必要性を強調した。
2015年の核合意については、参加国と協議する用意があると表明。「その約束が完全かつ誠実に履行されれば、他の問題についても対話が可能だ」と主張した。
イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止しているが、イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けている。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
ペゼシュキアン氏は米政府によるイランへの厳しい経済制裁や、トランプ政権時代のソレイマニ(Qassim Soleimani)司令官暗殺にも言及。イランの不満を列挙したうえで、対話に応じる用意があると述べた。