◎主要河川のひとつであるベヌエ川の上流にあるラグドダムから徐々に水が放出されているものの、それが洪水を引き起こす可能性は低い。
アフリカ西部・ナイジェリア政府は18日、大雨に見舞われている隣国カメルーンがダムの放水を続けていることを受け、少なくとも11州で河川の水位が上昇する可能性があると明らかにした。
それによると、主要河川のひとつであるベヌエ川の上流にあるラグドダムから徐々に水が放出されているものの、それが洪水を引き起こす可能性は低いという。
ナイジェリア北東部ボルノ州では先週、ダム決壊による大洪水が発生し、少なくとも30人が死亡、100万人以上が被災した。
被害の全容は明らかになっておらず、政府と自治体が調査している。国連によると、ボルノ州の州都マイドゥグリの15%が水没したという。
この洪水はナイジェリアの人道危機を悪化させている。ボルノ州は西アフリカ最大のイスラム過激派「ボコ・ハラム」による学生誘拐事件で知られ、何度もテロ攻撃に見舞われてきた。
ボコ・ハラムと国軍は戦争状態にあり、同国北中部では過去10年間の戦闘で3万5000人以上が死亡、約260万人が避難生活を余儀なくされている。
西アフリカ諸国は今年、過去数十年で最悪の洪水に見舞われ、昨年の3倍にあたる200万人以上が影響を受けた。2022年にはラグドダムの緊急放水により、ナイジェリアで600人以上が洪水に巻き込まれた。