◎現場の状況はほとんど明らかになっていない。
南太平洋パプアニューギニアで違法鉱山労働者をめぐる暴力が発生し、20~50人が死亡した。国連が16日、明らかにした。
それによると、戦闘は首都ポートモレスビーの北西約600キロに位置する内陸部のエンガ州で数日前に始まったとみられ、複数の鉱山で現在も続いているという。
国連のパプアニューギニア特使はAP通信の取材に対し、「15日時点で少なくとも20人の死亡が確認され、その数は50人に達する可能性がある」と語った。
また特使は「違法鉱山労働者たちは銃、ナタ、斧などで武装しているという情報があり、現場に陸軍と警察が向かっているとみられるが、戦闘が収まる兆しは見えない」と述べた。
現場の状況はほとんど明らかになっていない。
パプアニューギニア警察の長官は16日、「エンガ州を含む複数の地域で暴力がエスカレートしたため、14日に緊急事態を宣言し、住民とインフラを守るために治安部隊を現地に派遣した」と述べた。
パプアニューギニアには800以上の先住民が存在し、何世紀にもわたって土地をめぐる部族間抗争が続いている。
この国の土地の所有権は個人ではなく部族のものであり、明確な境界は決められていない。
今回の戦闘に関与している組織・団体・企業の情報はなく、何を争っているかも分かっていない。
エンガ州では5月末、郊外の集落で大規模な地滑りが発生。政府は2000人以上の住民が生き埋めになったと推定している。政府は2週間後に捜索を打ち切り、被災地を集団墓地にすると発表した。