◎決壊したのはボルノ州の州都マイドゥグリの南方約20キロに位置するヌガッダ川をせき止めているアラウダム。大雨の影響で急激の水位が上昇し、10日に決壊した。
2024年9月11日/ナイジェリア、北東部ボルノ州マイドゥグリ、ダム決壊により冠水した地区(AP通信)

ナイジェリア北東部ボルノ州で大雨によりダムが決壊し、少なくとも30人が死亡、100万人以上が避難を余儀なくされている。地元当局が11日、明らかにした。

決壊したのはボルノ州の州都マイドゥグリの南方約20キロに位置するヌガッダ川をせき止めているアラウダム。大雨の影響で急激の水位が上昇し、10日に決壊した。

州政府は異常な豪雨により、ダムの容量が限界に達したと報告。下流の広い範囲が冠水し、100万人以上が避難を余儀なくされていると明らかにした。

州警察の報道官はAP通信の取材に対し、「マイドゥグリの至るところに泥水が流れ込み、市の15%が水没したという情報もある」と語った。

被害の全容は明らかになっておらず、中央政府・陸軍・警察・自治体が調査に当たっている。

非常事態庁の報道官は10日、「これまでに30人の死亡が確認され、犠牲者の数はさらに増える可能性がある」と述べた。

ボルノ州知事室はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「これまでに少なくとも100万人が被災し、その数は200万人に達する可能性がある」と書き込んだ。

マイドゥグリの市民によると、洪水で中央市場が破壊され、食べ物が手に入りにくくなっているという。

市内の州立動物では浸水により飼育している動物の8割が死に、不特定多数の爬虫類が逃げ出したと伝えられている。

マイドゥグリ在住の女性はAPの取材に対し、「今日、自宅近くで動物園から逃げ出したワニが捕獲、駆除されたため、怖くて外出できない」と語った。

気象台は10日、ボルノ州全域に洪水警報を発令、河川近くの住民に避難命令を出した。同州のすべての学校は今後2週間休校となる。

ボルノ州は西アフリカ最大のイスラム過激派「ボコ・ハラム」による学生誘拐事件で知られ、何度もテロ攻撃に見舞われてきた。

ボコ・ハラムと国軍は戦争状態にあり、同国北中部では過去10年間の戦闘で3万5000人以上が死亡、約260万人が避難生活を余儀なくされている。

国連によると、西アフリカ諸国では今年、大雨による被害が相次ぎ、ナイジェリア、マリ、チャド、ブルキナファソなどで230万人以上が被災したという。

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