◎今年の洪水被害は2年前に比べると小規模だが、それでも300人以上が亡くなっている。被害の全容は明らかになっていない。
国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」は5日、モンスーンの季節が始まって以来、パキスタンで大雨や洪水などにより150人以上の子供たちが死亡し、影響を受けた地域の死者数の半数以上を占めていると明らかにした。
それによると、この数カ月で少なくとも200人の子供が負傷し、数千人が避難を余儀なくされているという。
セーブ・ザ・チルドレンは被害を受けた多くの人々が2年前に大規模な洪水に見舞われた南部シンド州の救援キャンプで生活していると明らかにした。
またセーブ・ザ・チルドレンは「この洪水や土砂崩れにより、農家の主な収入源である綿花作物の80%が破壊され、何百頭もの家畜が死んだ」と述べ、現地のパートナーの助けを借りて被災者を支援していると付け加えた。
さらに、「このような災害で最も影響を受けるのは常に子供である」と強調した。
それによると、シンド州だけで7万2000人以上の子供の教育に影響が出ているという。
国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊。被害総額は300億ドル(約4兆3000億円)と推定されている。
今年の洪水被害は2年前に比べると小規模だが、それでも300人以上が亡くなっている。被害の全容は明らかになっていない。
パキスタンは昨年のジュネーブ会議で国際社会から90億ドルの支援を受けることが決まったものの、まだその大半を受け取っておらず、復興作業に着手できていない。
ある国会議員はSNSにこう投稿している。「我々は2022年の洪水から何の教訓も学んでいない。何百万人もの人々が川の近くや低地にレンガの家を建てている...」