◎これは同州コルカタで国立病院の女性研修医が性的暴行を受け殺害された事件に抗議するデモが激化したことを受け、起草された。
インド・西ベンガル州議会は3日、有罪判決を受けたレイプ犯に終身刑、被害者が死亡または植物状態になったレイプ事件の容疑者を死刑に処す法案を全会一致で可決した。
同法案は今後、州知事に提出され、署名・成立する見込みである。
司法は刑法に基づき、レイプ事件の容疑者を裁判にかける。有罪判決を受けた全国のレイプ犯が終身刑もしくは死刑になるということではない。
同州議会はほかにも、レイプ事件の捜査を迅速化するための女性警官をリーダーとする特別捜査班の設置、専用の簡易裁判所の設置、捜査の遅れに対する罰則、判決までの期間の設定(21日間、15日間の延長可)などを提案。この法案を通して制定される予定である。
これは同州コルカタで国立病院の女性研修医が性的暴行を受け殺害された事件に抗議するデモが激化したことを受け、起草された。
コルカタの大学病院で働く31歳の女性研修医は先月初め、キャンパス内で亡くなっている状態で発見された。
警察はその後、ボランティアで大学の警備を行っていた男が女性をレイプし、殺害したとして逮捕した。
この殺人事件は全国規模の抗議デモに発展。正義を求める何万人もの人々が集まった。拘留中の容疑者は取り調べに対し、容疑を否認し、濡れ衣を着せられていると主張している。
同州では少数派であるモディ(Narendra Modi)首相のインド人民党(BJP)も法案を全面的に支持した。
インドは「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、2020年にカースト制の最下層「ダリット」の女性が集団レイプされ死亡した事件は全国規模の抗議デモに発展した。
国家犯罪記録局(NCRB)によると、2022年に全国で確認されたレイプ事件は3万1516件、21年から20%増加したという。これは認知された件数であり、実際はもっと多いと推定されている。