◎被害の全容は明らかになっておらず、軍政が調査している。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は26日、スーダン東部のダムが大雨により決壊し、数十の集落が消失したとされる災害について、これまでに少なくとも30人の死亡が確認されたと明らかにした。
決壊したのは紅海沿岸の都市ポートスーダンの北方約40キロに位置するダム。ポートスーダンに飲料水を供給していたという。
ダムは25日に決壊したとみられ、ダム周辺および下流の約70の集落が被害を受け、うち20の村が完全に押し流されたとみられる。
OCHAのスーダン担当は地元当局者の話しとして、「実際の死者数はもっと多いかもしれないが、被害の全容は明らかになっていない」と強調した。
またOCHAは「主にダムの西側で被害が拡大し、約5万人が住居を失ったり、高台への避難を余儀なくされている」と述べた。
被害の全容は明らかになっておらず、軍政が調査している。
OCHAは「多くの被災者が水、食料、テント、医薬品などの物資を必要としている」とし、国際社会に支援を呼びかけた。
またOCHAは「生活に欠かせない80以上の井戸が破壊され、推定1万頭の家畜が行方不明になり、70の学校が全壊または損壊した」と述べた。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が食料不足に喘ぎ、数万人が死傷したと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が確認されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
また同国では数週間前から広い範囲で大雨が続き、悲惨な状況に拍車をかけている。
国連によると、今年スーダン全土で洪水に巻き込まれた人は32万人近くに達し、うち11万8000人が住居を失ったという。
27日は軍政とRSFの戦闘が勃発してから500日目にあたる。