◎スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
国連の人道支援物資を積んだトラックが22日、アフリカ中央部・チャドから内戦下のスーダンに入った。国連によると、チャドから物資を搬入できたのは今年2月以来半年ぶり。
物資を管理するのは国連の世界食糧計画(WFP)と国際移住機関(IOM)である。
WFPによると、米、ソルガム(イネ科の穀物)、油、その他物資は危機的状況にある西部ダルフール地方に送られる予定。
スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が食料不足に喘ぎ、1万4000人以上が死亡、3万人以上が負傷したと推定されている。
被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
同国では数週間前から広い範囲で大雨が続き、悲惨な状況に拍車をかけている。
WFPのスーダン事務所は声明で、「チャド国境ルートは最も簡単かつ最速で被災地に物資を送り届けることができるため、これを維持することが重要だ」と強調した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は今週初め、食料などの救援物資を積んだ131台のトラックがチャド国境を通過することを許可されたと明らかにしていた。
同国境は今年初め、安全上の理由で閉鎖された。
軍政寄りのアラブ系武装勢力「ジャンジャウィード」などはこの国境がRSFの武器供給ルートになっていると主張していた。