◎西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。
マリ、首都バマコ郊外、陸軍の兵士(AP通信)

西アフリカ・マリの中部地方で治安部隊と武装勢力が衝突し、陸軍兵士少なくとも15人が死亡した。軍政の報道官が17日、明らかにした。

それによると、戦闘は中部モプティ州郊外の開けた丘で15日に発生。国際テロ組織アルカイダ系のJNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)が治安部隊に待ち伏せ攻撃を仕掛けてきたという。

治安部隊はこの地域でパトロール任務に当たっていた。

軍政の報道官は声明で、「地元の農家のためにパトロールを行っていた部隊が待ち伏せ攻撃に遭い、長時間に及ぶ戦闘の末、兵士15人が死亡、行方不明者も出ている」と述べた。

それによると、JNIMの戦闘員は車両、オートバイ、徒歩で別れて行動し、治安部隊に波状攻撃を仕掛けてきたという。

AP通信は情報筋の話しとして、「治安部隊は壊滅し、負傷者や行方不明者が多数出ている」と報じた。

それによると、JNIMはほとんど被害を受けず、投降した兵士や民間人を拉致したとみられる。

西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。

この3カ国の軍政は旧宗主国のフランスとの関係を断ち、ロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、民間人を巻き込みながら過激派を掃討している。

しかし、マリ中部の治安は悪化の一途をたどっているように見える。

専門家によると、中部地方にはアルカイダやISIS系組織など、複数の過激派が活動し、町や集落を占領して住民に独自の法律を押し付け、数十万人を人質に取っているという。

同国ではトゥアレグ族で構成される反政府勢力も支配地域を拡大しており、先月末にはアルジェリア国境付近で陸軍兵士とワグネルの戦闘員数十人を殺害したとされる。

軍政と戦争状態にある反政府勢力「アザワド解放民族運動(MNLA)」はこの攻撃への関与を否定している。

MNLAはトゥアレグ族の若者で構成され、独自に策定した北部地域の平和・安全・開発のための恒久的戦略枠組み(CSP-PSD)に基づき、「アザワド」という独立国家の建設を目指している。

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